一級建築士のノブユキです。
普段は家づくりに関する記事を作成していますが、この記事では、私が苦労して取得した一級建築士資格について、どのように合格までたどり着いたかを解説します。
一級建築士を目指している皆さん、勉強の仕方は人それぞれ得意なやり方がありますが、合格者の一つの方法として是非参考にしてください。
合格までの道のり
1回目(学科独学・製図通学):総合資格学院
学科合格、製図不合格(評価Ⅱ)
2回目
受験せず(学科免除を無駄に消費)
3回目(製図独学)
学科免除、製図不合格(評価Ⅲ)
4回目(学科独学、製図通学):日建学院
学科合格、製図不合格(評価Ⅳ)
1回目(学科独学・製図通学):総合資格学院
学科については独学で挑みました。
私の勉強法は、問題集を購入してとにかく問題を解くことです。テキストを買って勉強してから問題を解くのではなく、まず問題を解きます。もちろん最初は設問内容がチンプンカンプンなこともありますが、それは解答の解説を見て理解します。解説だけで理解できない場合は、インターネットで検索して内容を勉強します。
問題集については、総合資格学院の問題集が非常にオススメです。解答の解説が非常にわかりやすく、色々と調べる手間がないため時間の短縮につながります。
私はこの問題集を「3周+苦手な設問を復習」して学科合格しました。設問一つ一つの正誤を見極め、都度解説を見て内容を理解するため、3周といっても結構な時間がかかります。
3周すると、大体の設問の内容が理解できますし、内容は理解できていなくても設問の正誤はわかるようになっています。
また、通勤の電車などでは「建築士.com」というサイトがオススメです。WEB問題集を無料で公開しているので、ひたすら解いて勉強していました。
学科別の対策法
私の学科別の対策法は下記のとおりです。基本的には上記で述べた通りひたすら問題集を解くことですが、それに加えて下記のことを実践しました。
①計画:歴史問題は捨てる
②環境設備:音・光・換気などの公式はきちんと覚える
③法規:問題を解く順番を工夫する
④構造:問題集を2周しても理解できない計算問題は捨てる
⑤施工:基準値はリズムで覚える
①計画:歴史問題は捨てる
神社仏閣や国内外の著名建築物に関する問題は捨てました。世界中に有名な建築物はたくさんありすぎるので、過去問を完璧に理解したとしても知らない建築物に関する問題が平気で出てきます。
著名建築物に関する問題は出てもせいぜい3問です。適当に答えても6割の確率で1問は正解できます。設問の数個が過去問で出てきていて理解できていれば、なお正答率は高まります。
ここに時間を費やすのであれば、他の問題を完璧に理解する方に時間を使いましょう。
②環境設備:音・光・換気などの公式はきちんと覚える
音・光・換気などの計算問題は必ず出てきます。公式も特段複雑ではなく、計算方法も単純な四則計算が多いため、覚えやすく、覚えて入れば解ける問題が多いので、公式は必ず覚えましょう。
私は、スマホの単語帳アプリを使って公式を覚えていました。
③法規:問題を解く順番を工夫する
法規はとにかく時間に追われる科目です。ですので、私は問題を解く順番を工夫しました。私の問題を解く順番は、「1~10問目」「21~30問目」「11~20問目」の順で問題を解きました。
「1~10問目」は比較的、建築基準法の初歩的な部分の問題が多いため、法令集から探しやすい条文の問題が多いため、こちらは先に解きます。
続いて、「21~30問目」を解きます。後半の問題は建築基準法以外の設問が出るため取っつきにくい問題と思われるかもしれませんが、建築基準法以外の問題はひねった問題が少なく、条文を見つけさえすればわかる単純な設問であるため、こちらを2番目に解きます。
そして最後に「11~20問目」を解きます。中盤の問題は、建築基準法に関して少しだけ踏み込んだ内容となるため、法令集を引くのに時間がかかる傾向にあります。ここで悩んで、比較的簡単な後半の問題を解く時間が足りなくなるのを避けるため、難しい中盤を最後に残すようにしました。
法令集は、総合資格学院が出版しているものがオススメです。A4版サイズのため薄くバッグにも入れやすく、引く際にも安定します。関連条文の脚注についてもわかりやすく表記しており、試験用としては非常に使いやすいです!
④構造:問題集を2周しても理解できない計算問題は捨てる
構造は覚える公式も多く、複雑なものが多いです。問題集に出ている問題の公式はできる限り覚えましょう。
公式を覚えたとしても、計算方法をなかなか理解できない問題が出てくると思います。それは本番に出てきたら運が無いと諦めて捨てましょう。それよりも文章の設問の問題を取りこぼさないように問題集を完璧にこなしましょう。
私は、崩壊メカニズムの計算問題が苦手であったので時間の無駄と考えて捨てました。
⑤施工:基準値はリズムで覚える
施工は足場の壁つなぎの間隔など、多岐にわたって基準値を覚える必要があります。設問に書かれている数値が基準値が正しいのか間違っているのか、覚えていないと正誤の判断ができません。
あくまで私の暗記方法ですが、基準値を適当な語句のリズムで覚えていました。例えば、足場の壁つなぎの間隔では下記の様に暗記していました。
・枠組足場:「直球平八(ちょっきゅーへいはち)」→垂直9m以下、水平8m以下
・単管足場:「直後hey go go(ちょくごへいごーごー)」→垂直5m以下、水平5.5m以下
語句は適当な単語なのですが、なぜか不思議と覚えていて今でも忘れません。
製図試験(1回目)
製図に関しては総合資格学院に通いました。学校に通って改めて思いましたが、製図は独学で合格するのは非常にハードルが高いです。学科とはまったくの別物です。
総合資格学院は線の練習や問題分の読み方、マーキングの仕方など事細かく教えてくれたため、初受験者にとって非常に心強いと感じました。
本試験については、私は作図スピードが遅いため見直しの時間があまり設けられず、細かいミスの積み重ねで不合格となりました(評価Ⅱ)
2回目(受験せず)
一級建築士の製図試験の勉強期間は主に7月~10月です。1回目の受験で夏のシーズンを勉強で遊べなかった反動で、受験せず海に行き、旅行に行き、夏を満喫する選択を選びました。
現在は、製図を受験せずとも学科免除枠は消費されませんが、当時はその制度がなかったため、無駄に学科免除の枠を1年潰しました。
3回目(製図独学)
これはさすがに無理がありました。資格学校で無料でもらえる問題や、模試などを受験しましたが、作図のスピード、設計ポイントの理解も中途半端であったためもちろん不合格でした(評価Ⅲ)
ここで、学科免除が消滅しました。
4回目(学科独学、製図通学):日建学院
3回目も不合格であったため、再度学科試験からです。こちらは1回目と同様に問題集をひたすら解くことで合格基準点を8点オーバーで合格することができました。
問題集については、総合資格学院のこちらの過去問集も解説がわかりやすく非常にオススメです。
製図合格
製図はやはり資格学校に通いました。今回は総合資格学院より、気持ち受講料が安い日建学院に通学しました。
日建学院の印象は、線の練習や問題分の読み解き方、マーキングの仕方などの練習は無く、自分でテキストを読んで学んだ上で、課題に取り組みました。総合資格学院の方が費用は高いですが、初年度の方に優しい印象がありました。
私がこの年度で製図合格できた秘訣は、作図スピードを上げたことです。どんなに頑張っても3時間~3時間半の間だったため、本番でも課題でも見直しの時間が設けられず、記載漏れなどの凡ミスの積み重ねで合格点に到達できませんでした。
そんな私が作図スピードを上げた要因は「包絡処理」を無視したことです。
「包絡処理」とは、柱・壁の接合部の部分を下記画像のように線の処理を行うことです。私は包絡処理を行わなくしたことにより作図時間を20分程度短縮することに成功しました。
包絡処理をしないことが減点対象であるかは定かではありません。しかし、包絡処理を無視した私が合格しているので、減点対象であったとしても些細な減点でしょう。
まとめ
以上が、私が一級建築士に合格した方法です。是非参考にしてください。
勉強方法については得意不得意が人それぞれ違いますので、私の勉強方法が正しいわけではありません。あくまで、私が合格した方法ですので、実践してみて合わなそうであれば他の勉強方法にシフトするのが良いでしょう。
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