コロニアルクァッド・コロニアルグラッサはどっちを選べば良い?2つの違いを徹底解説|一条工務店屋根|

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ノブユキ

2022年に一条工務店で平屋のマイホームを建築した一級建築士のノブユキです。

家づくりを進めていく中で色々と設備を選択していくこととなりますが、一条工務店では、基本的に一条工務店のオリジナル製品を含めた標準仕様の製品から選んでいき、その他に有料のオプションを追加していくこととなります。

アイ・スマートなどの商品の屋根はスレート材の屋根となっています。

標準仕様では「コロニアルクァッド」となっていますが、有料オプションで「コロニアルグラッサ」という屋根材に変更することができます。

※2025年現在、アイ・スマートで5,720円/坪

2つの屋根材の違いは何?
どっちにしたら良いの?

このように標準仕様の「コロニアルクァッド」と有料オプションの「コロニアルグラッサ」どちらを選べば良いか悩まれる方も多いかと思われます。

個人的には、コロニアルグラッサ一択だと考えます。

その理由は、ランニングコストを含めたトータルコストが「コロニアルグラッサ」>「コロニアルクァッド」だからです。

この記事では、「コロニアルグラッサ」をオススメする詳しい理由も含めて、「コロニアルクァッド」と「コロニアルグラッサ」の違いについて解説していきます。

目次

スレート屋根とは?

まずはスレート屋根について簡単に説明します。

スレート屋根の特徴

スレート屋根とは、セメントや繊維質の材料を交ぜて作る厚さ5㎜程度の板状の屋根材のことです。

屋根材にはガリバリウム鋼板屋根や瓦葺き屋根などいくつか種類があります。スレート屋根には軽い・安価などメリットがありますが、いくつかデメリットもあります。

特に下記②のデメリットはコロニアルクァッド、コロニアルグラッサの違いとなるポイントでもあります。

スレート屋根のデメリット

①耐久性が低い

②紫外線・風雨による色あせが起こる

①耐久性が低い

スレート屋根は厚さ5mm程度と薄い板状の部材であるため、強い衝撃が加わってしまった際には割れや欠けてしまうおそれがあります。

地震や台風などの自然災害の際には特に注意が必要です。

②紫外線・風雨による色あせが起こる

屋根材は日頃から紫外線や風雨にさらされる過酷な条件下にあります。このため、スレート屋根は年月が経つほど、紫外線の影響で次第に色あせてきます。

また、経年により藻・カビ・苔などが付着し、美観上の支障が発生するおそれもあります。

コロニアルクァッド、コロニアルグラッサの違いとは?

2つの製品の特徴

部材構成

2つの製品は共に1層目である「基材」、2層目である「無機化粧層」、3層目である「無機彩石」、そして表層の「コーティング材」から構成されています。

「コロニアルクァッド」、「コロニアルグラッサ」は1~3層目まで同じ構成部材となっていますが、表層のコーティング材に違いがあります。

○2製品の部材構成

部材構成コロニアルクァッドコロニアルグラッサ
表層アクリルコートグラッサコート(無機系)
3層目無機彩石無機彩石
2層目無機化粧層無機化粧層
1層目基材基材

コーティング材の違い

様々な建材は、主体となる部材を紫外線や風雨などから守るために塗装やコーティングを施します。

鉄製品に塗装がされているのは錆びないため、外壁や外構のウッドデッキなどの木製品に塗装がされているのは紫外線などによる劣化を防ぐためなど、表層は部材を守るために非常に重要なものとなります。

塗装などのコーティング材(上塗材)は、メーカーにより細かな分類が設けられている場合がありますが一般的には「アクリル系」「ウレタン系」「シリコン系」「フッ素系」「無機系」があります。

一般的には「アクリル系」<「ウレタン系」<「シリコン系」<「フッ素系」<「無機系」の順で耐候性に優れているため、コロニアルグラッサに使用されている無機系のグラッサコートの耐久性は非常に優れていることがわかります。

○一般的なコーティング材の耐候性

耐候性種類
高い無機系(コロニアルグラッサ)
フッ素系
シリコン系
ウレタン系
低いアクリル系(コロニアルクァッド)

コーティング材の違いによる影響

コロニアルクァッドのコーティング材は、コロニアルグラッサに比べて耐候性に劣ります。耐候性に劣るとどのような問題が生じるかといいますと

紫外線の影響で色あせしていきます。

しかし、メーカーであるケイミュー㈱曰く、色あせは美観上の維持に問題があるだけで、屋根材としての基本性能に問題はないとのことです。

コーティング材の違いによる影響

・耐候性に劣るコロニアルクァッドは色あせする可能性がある

・色あせにより美観上の支障が出てくる可能性がある

・色あせた場合でも屋根としての基本性能は変わらない

メンテナンス

コロニアルクァッドとコロニアルグラッサの違いは「色あせのしやすさ」です。

屋根としての基本性能に変わりはないため、「風雨から守られれば美観なんて気にしない!」という方であれば標準仕様のコロニアルクァッドで十分だと思います。

ですが、せっかくの我が家です。色あせてみすぼらしくならないよう美観の維持・向上に努めたい方は多いと思います。

メーカーであるケイミュー㈱は、コロニアルクァッドのメンテナンスの目安として10年ごとの再塗装・部分補修を想定しています。

○コロニアルクァッドのメンテナンスの目安

画像引用:ケイミュー㈱公式HP

それに比べ、コロニアルグラッサは再塗装の必要がないため、メンテナンスの目安としては10年ごとの部分補修、30年後の再塗装を想定しています。

○コロニアルグラッサのメンテナンスの目安

画像引用:ケイミュー㈱公式HP

屋根の再塗装を行うためには外部足場を設置する必要があるため、屋根の塗装は塗装費用の他に外部足場設置費用も掛かります。

塗装の種類にもよりますが、スレート屋根の塗装費用は30坪の住宅で50万円程度が相場となります。塗装費用に加えて20万円程度の足場設置費用が掛かります。

コロニアルグラッサのオプション費用は30坪の住宅で約17万円、コロニアルクァッドにした場合の再塗装費用は20年間で約140万円となります。

初期費用はコロニアルグラッサの方が掛かりますが、20年間のトータルでは120万円程度お得となる計算になります。

○トータルコストの比較(30坪の住宅を想定)※部分補修費用は除く

年数コロニアルクァッドコロニアルグラッサ
0年0円約17万円
10年約70万円0円
20年約70万円0円
合計約140万円約17万円

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まとめ

有料オプションであるコロニアルグラッサは初期費用が掛かりますが、将来的なコストとしては明らかにコロニアルグラッサの方が安くなります。

家づくりは初期費用だけではなく、点検費用や経年による補修費用など継続して多額のお金が掛かります。初期費用を抑えるだけではなく、ランニングコストも抑える設計・仕様とすることも非常に重要な要素となります。

ですので、余程のことがない限り、屋根材はコロニアルグラッサへの変更を強くオススメします!

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