キッチンの天板・シンクや浴槽に使用される人工(人造)大理石。
住宅設備メーカーによって「人工大理石」と「人造大理石」と名称に違いがあります。
この記事では、人工大理石と人造大理石の違いやメリットデメリット、特徴について解説します。
人工大理石と人造大理石
現在、インターネット上では人工大理石と人造大理石の違いについて、次のような説明をしていることが多いです。
アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分とした成形した人工素材
天然大理石などの鉱石を粉砕してセメントや樹脂で固めた半人工素材(テラゾーと呼ばれる)
そして、「〇〇というメーカーは人工大理石なので合成樹脂製、△△というメーカーは人造大理石なので天然鉱石を使用している。」という説明をしている記事などが見受けられます。
実はこれ、間違いです!!
正確には、住宅設備メーカーの多くが使用している人造大理石は、多くの人が説明している天然鉱石をセメントなどで固めたもの(テラゾー)ではなく、基本的には樹脂を成形したものが多いです。
天然鉱石を使用したテラゾーや人造石研ぎ出し仕上げと呼ばれるもの(多くの方が人造大理石と説明しているもの)は、古い小学校や中学校の廊下によく設けられている手洗い流しに使用されています。
実際に「人造大理石」という名称を使用しているトクラスというメーカーは、公式You Tubeにおいてトクラスの人造大理石は自然大理石を混ぜたものではなく、ゼロから作り上げた独自製法であると言っています。
次の動画の1分03秒程のシーンで、トクラスの人造大理石には自然大理石は混ぜていないことを説明しています。
トクラスの人造大理石は天然大理石よりも汚れが付きづらく、落としやすいのね!
人工的な素材だからといって、天然素材よりも性能が劣るわけじゃないのだワン!!
2024年現在、人工大理石と人造大理石については定義が明確になっていません。
特に、人造大理石については住宅設備メーカーによって捉え方・考え方に違いがあるため注意が必要です。
このため、人工大理石と人造大理石については次のような整理をしておきましょう。
・ポリエステル系、アクリル系樹脂などの合成樹脂で形成されたもの
※一部、模様付けなどのために天然鉱石を混ぜているものもある
・ポリエステル系、アクリル系樹脂などの合成樹脂で形成されたもの(=人工大理石)
・粉砕した天然の鉱石をセメントや樹脂などで固めたもの
人造大理石という名称であっても天然鉱石を使用しているとは限らない!
住宅設備メーカーのキッチン天板や浴槽で人造大理石が使用されているものについては、天然鉱石の有無に関わらず人造大理石という名称が使われています。
むしろ、住宅設備メーカーの人造大理石商品は樹脂製であることが多いため、人造大理石=人造大理石と捉えても問題は無いと考えます。
カタログには人造大理石の成分や素材などの説明まで記載されていることは少ないため、天然鉱石を使用しているのか気になる方はメーカーに直接問い合わせてみるのが良いでしょう。
人工(人造)大理石のメリット・デメリット
メリット
- カラーバリエーションが豊富なため、インテリアや部屋の雰囲気に合わせて選択できる。
- キッチンのシンクと天板の両方を人工(人造)大理石とした場合、シンクのみをステンレスにした場合にできる継目がなくなり、汚れやカビの発生が少なくなる。
- 表面の細かい傷はメラミンスポンジやサンドペーパーで研磨することで落とすことができる
ポリエステル樹脂製でゲルコート処理がされている商品については、研磨することでコーティングが剝がれてしまい、余計に汚れなどが付きやすくなってしまうため研磨することはできません。
デメリット
- 基本的には耐熱性が低い(熱に弱い)ため、熱い鍋などをキッチン天板やシンクに直接置くと変色してしまうおそれがある。しかし、最近はメーカーの商品開発努力により熱に強くなっている商品が多いです。
- 重いものを落とすと傷が付いたり割れてしまうおそれがある。
- 経年劣化により変色し、黄色味がかってくる。
熱に強い商品もあり、デュポン社のコーリアンという人工大理石は、180℃の模擬鍋を20分間放置しても変色しないことを実証しています。
人工(人造)大理石の種類
合成樹脂で形成された人工(人造)大理石には、大きく分けてアクリル系とポリエステル系の2種類があります。
その特徴については次のとおりです。
アクリル系 | 評価 | 項目 | 評価 | ポリエステル系 |
---|---|---|---|---|
耐候性に優れ、紫外線に当たっても変色・劣化はプラスチックとしては非常に少ない。 | 〇 | 耐候性(紫外線) | ✕ | 黄味に変色する傾向にある。 |
調味料を一週間放置しても簡単に落とすことが可能 | 〇 | 耐汚染性 | △ | 商品により差はあるが、マジックや絵具を落とすことは基本的に難しい。 |
熱い鍋を置いた程度では変色しない。 (著しく高熱など条件が悪ければ変色する。) | 〇 | 耐熱性 | △ | 黄色く変色する傾向にあり、高熱(100℃)で亀裂が入るものもある。 |
板状の材料を切ったり付けたりして加工するためコストが高くなる。 | △ | コスト | 〇 | 規格品の型に流し込み成形するので比較的安い |
サンドペーパーなどで研磨することで傷の補修が可能。 | 〇 | 傷の補修 | △ | アクリルに比べて柔らかく傷が付きやすい。補修が困難。 |
アクリル系は品質は高いですがコストが高く、ポリエステル系はアクリル系に比べて品質は劣りますが値段はリーズナブルです。
アクリル系はマットな質感、ポリエステル系はコーティングで光沢があるといった見た目の違いもあるわね!
アクリル系人工大理石を使用しているハウスメーカー
我が家は一条工務店の住宅を建てましたが、一条工務店のキッチンの天板はアクリル系人工大理石を使用しています。
浴室についても、スマートバスという製品は浴槽にアクリル系人工大理石を使用しているため、耐久性に優れ、汚れがつきにくく、その美しさがいつまでも続きます。
一条工務店は、紹介割引を利用することで非常にお得に建てることができます。別記事で紹介割引について詳しく解説していますので是非そちらもご覧ください。
まとめ
インターネット上では「人造大理石=天然鉱石とセメントなどで固めたもの」と決めつけられていますが、これは誤りです。
住宅設備メーカーでは天然鉱石の有無に関わらず「人造大理石」という名称を使用しています。
名称だけに惑わされず、素材が気になる方はカタログなどの商品説明やメーカーに直接問い合わせをしましょう。
また、品質については アクリル系>ポリエステル系 となりますので、コストが高くなっても品質にこだわりたい方はアクリル系人工(人造)大理石を選択するのが良いでしょう。
人工大理石のキッチンや浴槽を実際にみてみる!
人工大理石のキッチンや浴槽を実際に見てみてはいかがでしょうか。
実際に見て触ることで、記事だけではわからない質感などを体感することができ、よりイメージを膨らませることができます。
ハウステックのショールームでは、人工大理石を使用している「システムキッチン:マルーレ」やアクリル系人工大理石の浴槽のバスルームを見学することができます。
マルーレの天板は標準がポリエステル人工大理石ですが、アクリル系人工大理石を選ぶこともできるため、両方の質感を確認することができます。
「ハウステック」という名前に聞きなじみがあまりないかもしれませんが、ハウステックは、ヤマダデンキ、ヤマダホームズ、Z空調で有名なヒノキヤグループを子会社に持つヤマダホールディングスのグループ企業です。
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